【最新】タイでのビジネス需要。日本食レストランの展開にチャンスはあるのか?

  • 2020年9月19日
  • 2021年11月5日
  • コラム
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現在、タイでは日本食をコンセプトにした飲食店が激増しています。

タイは東南アジア諸外国の中でも親日国でもあることから、これからタイに進出を考えている方もいるでしょう。
いざ出店を検討し始めると、「日本での飲食店経営の経験はあるけど、海外(タイ)での出店経験はなく不安」というのが本音かと思います。

そこで当記事では、「これからタイで飲食店の出店に向けて、参考になる情報が知りたい方」に対して、タイで日本食の飲食店を出店する際の知っておくべきポイントを体形的にお伝えします。

「とりあえず大まかな情報だけ欲しい」という方は、当記事の文末にてタイでの出店計画に役立つ「タイ人の特徴や動向をまとめた資料」をご用意しておりますので、ご活用下さい。

タイで日本食の進出が進む理由とは?

タイでは2000年頃から健康志向の高まりや日本食文化の浸透も相まって、日本食レストランが年々増加しています。

JETRO(日本貿易振興機構)の調査によると、2007年には首都バンコクと地方を合わせて700店程だった数が、2019年には3,637店舗、実に7倍にまで増加しました。

JETOROの同調査ではタイで日本食が人気となった理由として、前述した

・健康志向の高まり
・日本食文化の浸透
・シンプルに美味しさが受け入れられている
・見た目が綺麗
・お洒落だし、ブームだから

など様々な要素が組み合わさって、相乗効果で人気の波が生まれているようです。

タイの出店計画で押さえてきたい現地事情

タイでなぜ日本食が人気なのかを把握できたところで、次は実際に出店をする際のポイントを押さえていきましょう。

まずは現状のタイにおける日本食店の出店状況を整理します。
JETROの調査によると最も店舗数の多い業種は総合和食店(全体の24.5%)であり、次に寿司(18.7%)、ラーメン・すきやき・しゃぶしゃぶ(11.7%)、居酒屋(7.7%)と続きます。

そばやうどん、鉄板焼きなども少数では有りますが、日本の食文化を象徴する業種も出店しているようです。

続いて、首都圏のバンコクと、地方で分類した店舗数です。
タイ全体の日本食を扱う店舗数は2019年時点で3637店舗。バンコクでは1993店舗、その他の地方全体では1644店舗となり、都市部であるバンコクに集中しています。

また店舗の増減数ですが、バンコクでは2019年の1年間で516店舗が出店し、241店舗が閉店。地方では499店舗が増加し、141店舗が閉店しており、既出の数字だけを見れば地方出店の方が経営は安定していると言えます。

しかし、毎年100万人が日本を訪れ、本当の日本食を食べていることもあり、中途半端な味では通用しなくなっていることも事実です。

続いて、タイで日本食の飲食店が多い地域を順に紹介すると共に、各地域の「タイ人人口」「観光客数」「在タイ邦人数」も合わせてお伝えします。

こちらもJETROの調査データが参照元です。(数値は全て2019年時)

1位:バンコク都
・店舗数 1993店舗
・人口 568万人
・在留邦人 52,871人
・観光客数 4,580万人

2位:チョンブリー県
・店舗数 241店舗
・人口 154万人
・在留邦人 7,184人
・観光客数 1,486万人

3位:ノンタブリー県
・店舗数 170店舗
・人口 125万人
・在留邦人 700人
・観光客数 92万人

4位:チェンマイ県
・店舗数 108店舗
・人口 176万人
・在留邦人 2,489人
・観光客数 833万人

5位:サムットプラカーン県
・店舗数 100店舗
・人口 133万人
・在留邦人 1,130人
・観光客数 101万人

以上、上位5つの地域をご紹介しました。

3位のノンタブリー県は、人口も観光客も少ないですが、バンコク近郊に位置し近隣に大きな工業団地もあり、そこで働く日本人駐在員も多いという理由から店舗数が多いと推測できます。

また下記画像を参考に、地方の店舗数だけでなく業種別の店舗増加率業種に着目すると、喫茶の増加率が「71.2%」と高いことが分かります。


喫茶がタイで支持される背景には、タイでの中間所得者層の増加と、観光客の増加が挙げられます。

タイ人全体の暮らしにおける可処分所得の増加に伴なうカフェ需要の増加、観光客の休憩目的としての利用者増などが主な理由でしょう。

今後の出店計画の一案としては、カフェなどの喫茶をベースに、

・タイ人に人気の日本食もグランドメニューに加え
・味だけなく見た目にもこだわり
・日本とタイ双方のトレンドを取り入れていく柔軟な経営方針で
・利用者ニーズを汲み取ったコンセプトでのお店作り

などは、十分検討の余地があると言えます。

タイへビジネス進出をするために!?

タイで飲食店を出店するにあたって押さえておきたい情報を、様々お伝えしてきました。

改めて重要事項をまとめます。

・2007年には首都バンコクと地方を合わせて700店程だった数が、2019年には3,637店舗、実に7倍にまで増加
・日本食が人気となった理由には健康志向の高まり、日本食文化の浸透、、シンプルに美味しさが受け入れられている、見た目が綺麗、お洒落だし、ブームだからなどがある
・既出の数字だけを見れば地方出店の方が経営は安定していると言える
・店舗の増加率で最も高いのは喫茶の71.2%

上記が大まかなタイの日本食店の現地事情です。
これと合わせて、さらに確たる出店計画を進めるために、消費者の基盤となるタイ人の消費行動も押さえておきましょう。

タイで飲食店などビジネス目的で進出する方のサポートをするために、タイの特徴や動向などをまとめた資料を無料で配信しております。ぜひ、今後の出店計画の一助にお役立てください!