国内の地域ブランド調査で常に下位に甘んじる県として有名な佐賀県ですが、2014年から外国人が大挙して訪れるようになりました。
佐賀県が躍進!外国人宿泊観光客数の伸び率上位に佐賀県がラインクイン!
外国人の宿泊観光客数が2013年から2016年の3年間で約4.4倍に増えました。
中でもタイ人の宿泊者数の伸び率は大きく、2013年度370人の宿泊者数が2016年には5,830人を記録しました。(約15倍の増加)
佐賀県が成功したロケツーリズム
佐賀県にタイ人が訪れるきっかけを作ったのがフィルムコミションによる映画のロケ地誘致の成功です。
2013年7月にタイ人の訪日観光ビザ制度が緩和された同月、佐賀県でロケ誘致・支援を行う「佐賀フィルムコミッション」はバンコクでセールス活動を実施しました。
そこで「タイ国外の漁村でのロケを検討中」だったタイ映画界の大御所ノンスィー・ミブット監督と出会い、10分程の折衝で佐賀県がロケ地に選ばれました。
公開された映画が大ヒット!
タイ映画年間興行収入5位を記録
ノンスィー・ミブット監督がメガホンを撮った映画「タイムライン」は大ヒット。
2014年2月にタイ全土で公開され初登場2位を獲得し、主演女優はタイ最大の映画賞で最優秀主演女優賞を受賞しました。
チャンスを無駄にしない、佐賀県の取り組み
映画のロケ地誘致が決まったことで、県の観光課は急遽タイへのプロモーションに予算と人員を大幅に追加投入しました。
例えば、
①映画公開イベント時に観光課のスタッフが登壇し、佐賀をPR
②旅行観光イベントではニミブット監督をゲストに迎え、佐賀の魅力をPR
③映画作品を活用し「主演女優が表紙の観光PR冊子 ADVENTURE SAGA」を制作など、
ロケ地誘致だけで終わらせない仕掛けをいくつも用意し、展開しました。
映画「タイムライン」を皮切りに、2015年にはさらに2本のドラマの誘致を実現しました。
そのひとつは、タイの国民的スターバード・トンチャイが主演を努めたドラマ「きもの秘伝」กลกิโมโนです。
もう一つが、ティーンに人気の俳優・女優を起用したSTAY ซากะ..ฉันจะคิดถึงเธอです。
さらなる取り組み
ロケ誘致で成功した佐賀県は、その後も積極的にタイ国内で開催される旅行博に参加、県知事のTOPセールス・単独商談会の実施など、精力的にPRを続けています。
映画のロケ地誘致は訪日の起爆剤にはなりますが、その後も継続して来ていただくには日々の露出が大切です。
ファムトリップやメディアファムなども積極的に展開した結果、今もなお多くのタイ人に人気の観光地として「佐賀県」の名が上がります。
「ロケツーリズムは、映画を公開してからが本当のスタート」と改めて教えてくれる佐賀県の事例でした。
佐賀県のロケツーリズムの詳細は、JNTOのインバウンド事例として、『「なぜタイ人観光客は佐賀を目指すのか」佐賀県のロケツーリズムの取り組み』にあります。
合わせてお読みください。
また、弊社独自のネットワークでタイの映画監督にアポを取りたいと言ったご相談にも対応可能です。
気になった方は是非お問い合わせお待ちしております。