主要な観光スポットへのアクセスが便利になりました。
バンコクには、魅力的な観光スポットがあちこちにあります。
中でも「ワット・ポー」「ワット・プラケーオ&王宮」「ワット・アルン」は、一度は訪れたい三大寺院です。
ただ、これまではアクセスが問題でした。
主な移動手段はタクシーですが、言葉の壁や渋滞などでストレスを感じることもしばしばでした。
外国人観光客にうれしい“ゴールデンルート”。
その救世主となるのが、地下鉄MRTのブルーラインです。
9月29日(日)、新たに延伸された11駅の正式運行がスタート。
外国人旅行客にとっても人気観光スポットへのアクセスが便利になりました。
そのいくつかをご紹介しましょう。
中華街に一番近い「ワットマンコーン(Wat Mangkon)」駅
これまで、バンコクの中華街に行くには、一つ手前のかつての終点「フアランポーン」駅からタクシーか、トゥクトゥクが主な移動手段でした。
しかし、「ワットマンコーン」駅の完成により、駅から出れば中華街とアクセスがとても簡単になりました。
私が訪れた時(9月末)は、駅の至るところで撮影が可能な駅ジャック広告が展開されていました。
新たな観光スポットへの期待がかかる「サムヨート(Sam Yot)」駅
「プーケットタウン」に点在する「中華=ポルトガル調(シノポルトガル)」調の建物をイメージする駅舎が特徴の駅。
駅舎構内には近い将来、様々なテナントが入るようです。
またホーム上の柱の随所に、昔のバンコクの街並みのフォトパネルが展示されています。
ここには徒歩5分ほどのところに、インド人街「リトルインディア」があります。
中華街以上にアクセスが悪い場所ですが、一味違う観光スポットとして、これまで以上の賑わいが生まれるかもしれません。
生地やアクセサリーで知られる「パフラット市場」、ビル全体がフィギュアやおもちゃなどのテナントで埋め尽くされた“オタクの聖地”「メガプラザ」もこのエリアにあります。
タイで最も美しい駅「サナムチャイ(Sanam Chai)」駅
栄華を誇った、いにしえの宮殿を思わせる構内ですが、この駅の本領はその「立地」にあります。
「サイアムミュージアム」に直結した出口から北に800mほど行くと、「王宮&ワット・プラケーオ」「ワット・ポー」があります。
さらに近くの船着場から対岸の「ワットアルン」へ船で渡ることができます。
また、駅から南東に5分ほど歩けば「パーククローン花市場」もあり、街の人々の生活を垣間見ることができます。
黄金の「ホウ」が出迎える「イサラパップ(Itsaraphap)」駅
この駅から徒歩10分ほどのところに「ワット・ホンラッタナラーム」があります。
その本堂前に対で鎮座する鳥の像がこの駅のモチーフです。
この伝説の鳥「ホウ」、日本でも「鳳凰(ほうおう)」として知られています。
また、先ほどの「ワット・アルン」も徒歩で移動可能です。
※実際に歩いたところ、約20分かかりましたが。
ちなみに、「イサラパップ(Itsaraphap)」から二つ先の「バーンパイ(BangPhai)」駅から徒歩10分ほどの場所には、エメラルドグリーンの天井が人気の「ワット・パクナム」があります。
「安い」「安全」「安心」 三拍子そろった地下鉄MRT。
いかがでしたでしょうか。各駅とも異なるコンセプトで、訪れる観光客を出迎え、期待感を盛り上げてくれます。
これまで「点」で存在していた観光スポットを文字通り「線」で結ぶ地下鉄MRT。
今回の延伸は、生活者の鉄道インフラとしての利便性はもちろんのこと、FITの旅行者にとっても、市内の観光地を効率的に移動する貴重な足となります。
「現地へのアクセス」という側面から観光資源の価値をさらに高める・・・タイは、建設にも維持管理にも費用が掛かる「地下鉄」で実現しました。
観光立国の大先輩「タイ」の「戦略と本気」を改めて実感したMRTの「新駅巡り」でした。
次の課題はコレ?
今後もさらなる延伸が計画されているMRTですが、増加する乗客数に対する混雑緩和も危急の課題となっています。
例えば、BTS(高架鉄道)「アソーク」駅と直結するMRT「スクンビット」駅の券売機はご覧の状況。
ICカードを持たない旅行者は、辛抱強く列に並び、切符を購入しなければなりません。
近い将来、この問題もきっとクリアされることでしょう。(多分・・・)