2019年12月23日、バンコク市内を環状線のように一周することができるようになりました。
環状線とはいえ、正確には数字の「6」を横にしたカタチです。
起点/終点となる「BL01」の「Tha Phra(タープラ)」駅では出発のホームと、一周して戻ってきたホームは階層が異なります。
日本にもこの「6」を描く路線として、「都庁前」駅を起点とする「都営大江戸線」があります。
以前ご紹介した記事『バンコクの地下鉄「新駅」から見る観光立国タイの戦略』と同じ路線ですが、今回開通したのはチャオプラヤ川を挟んで東側のエリアになります。
※12月4日に開業した「BL06」~「BL09」と合わせて8駅が開業(黄色の部分)
今回、一周に要した時間は約68分。東京のJR山手線が約63分とのことなので、近いイメージです。
観光地の最寄駅のような演出は無く、機能性のみを追求する「Tha Pra(タープラ)」駅。
起点となる「BL01」の「Tha Pra(タープラ)」駅構内。2020年1月中旬、平日昼間の様子です。
近代的な造りですが、人が全くいません。またこの駅を含め、12月に開通した新駅は地上に造られ、線路も地上(しかも高架)を走っています。
平日昼間の車内はガラガラです。
このエリアの昼間の平日の利用客はまだこんな感じです。ちなみにこの車両は、乗客を少しでも多く乗せられるよう、座席が減らされています。
こちらは、バンコク中心部での車内。
通勤通学の時間帯は来た電車に乗り切れないこともしばしばです。
「BL01」「Tha Pra(タープラ)」駅周辺
ぐるりと一周した終着駅「BL01」「Tha Pra(タープラ)」駅近くの風景です。
いかにもバンコク郊外という景色ですが、沿線の途中にはコンドミニアムの建設がスタートしている場所も見受けられました。
家賃の高いバンコク中心部ではなく、郊外の駅近にオフィスを構える企業も増えるのではないでしょうか。
日本製の車両が走る「パープルライン」との接続駅「Tao Poon(タオプーン)」
ちなみに、「BL10」の「Tao Poon(タオプーン)」駅は、この駅から北東に約23km走る「パープルライン」のターミナル駅でもあります。
「パープルライン」は日本の円借款を利用して建設されました。
車両は日本の「総合車両製作所」製、設備も日本の丸紅・東芝が共同で現地法人を立上げ、メンテナンスを実施しています。
「パープルライン」の各駅構内には、トイレが設置されているとか。さすが、日本!
今回の「ブルーライン」の延伸により「パープルライン」沿線が、バンコクのベッドタウンとしてさらなる発展への期待が高まります。
加速度的に進むバンコクの鉄道インフラ
この時期、バンコクを走る主要鉄道のBTSスクンビット線も4駅が延伸されました。
2020年以降、新たに6路線の開業も予定されており、2029年までに東京に匹敵する路線網の完成を目指すとのことです。
今はまだ昼間の乗降客数が少ない各新駅のホーム。「ホームドア」開閉扉の横に用意された広告スペースも空いています。
しかし大正末期、山手線も開業当初の「渋谷」「池袋」は、東京市街の西のはずれにあり、雑木林や畑の目立つ田舎だったそうです。
経済発展著しいバンコクなら一気に開発が進み、各新駅を中心にそれぞれの役割を担う街に発展する日もそう遠くないかも・・・
そんなことを感じたMRT「ブルーライン」一周の旅でした。